開催日時:2024年5月18日(土)
開催方法:ハイブリッド開催(対面/オンライン)
会場:電気通信大学 A棟202
電気通信大学 交通・学内マップ
会場(電気通信大学 A棟202)にて、これまで洋学史学会に寄贈された図書・雑誌の頒布会を行います。ぜひご参加ください。
日時:2024年5月18日(土)11:30〜12:30(オンライン参加者は11:15入室開始)
開催方法:ハイブリッド開催(対面/オンライン)
会場:電気通信大学 A棟202 電気通信大学 交通・学内マップ
日時:2024年5月18日(土)13:45〜17:30(オンライン参加者は13:30入室開始)
開催方法:ハイブリッド開催(対面/オンライン)
会場:電気通信大学 A棟202 電気通信大学 交通・学内マップ
本シンポジウムでは、「大・小シーボルト」もとい父フィリップ・フランツと弟ハインリッヒに挟まれて影が薄かった長男にして兄のアレクサンダー・フォン・シーボルト(1846-1911)に注目する。父の日本追放から30年を経た1859(安政6)年、日本を訪れた弱冠12歳の彼は、以後、近代日本の外交史に不可欠な存在として、終生ユニークな役割を果たした。
しかし今回のシンポジウムは、彼自身よりも、彼が遺した一筋縄では扱えない「一次資料」自体が引き寄せた、異なる三分野の専門家の連携によって判明した文献調査報告に重点がある。ここでいう「一次資料」とは、東京大学総合図書館所蔵の書簡集や日記などからなる「シーボルト文書」であり、この「シーボルト」は長男アレクサンダーに他ならない。
外務省と東京大学がドイツからアレクサンダー・フォン・シーボルトの遺稿を購入してから1世紀が過ぎた。この間に日独両国の研究者が折に触れて調査・研究を進めたものの、結局、完遂できていない。明治日本の外交戦略、とりわけ条約改正の裏面史を探る重要な史料と位置付け、小村寿太郎や金子堅太郎が入手にむけて奔走した一方で、なぜこれまで遺稿の全体像が明らかにならなかったのか。
地道な紙媒体資料の整理・分析と古い活字体・筆記体の解読というオーソドックスな文献学的手法を得意とする「歴史学」と「文学」の研究者に「図書館」が関与して初めて再構築の糸口が開けた経緯と展開について、中村氏と堅田氏がそれぞれの視点から報告する。次いで報告Bでは、今年生誕275年を迎えるドイツの詩人ゲーテを専門とするドイツ文学者・石原氏が、なぜ10年以上も前に、洋学史とは別ルートで「アレクサンダー・フォン・シーボルト」にアプローチする必要があったのか、これまた日蘭関係の陰に隠れがちな近代日本とプロイセンを結ぶ学術交流について、歴史学とはやや違う切り口から語る。
本シンポジウムでは、アレクサンダー・フォン・シーボルトの遺稿を契機とした思いがけない領域横断研究の成果発表に留まらず、領域が異なる共同研究の難しさ、所蔵する立場からの問題などについても、参加者も加えた活発な議論が期待される。
報告@中村美里(東京大学附属図書館 情報サービス課資料整備チーム係長)
「東京大学総合図書館所蔵の「アレクサンダー・フォン・シーボルト文書」について」
報告A堅田智子(関西学院大学助教)
「外務省が守りたかった「シーボルト文書」:東京大学総合図書館、外務省外交史料館所蔵資料にみる遺稿受け入れと分割の過程」
報告B石原あえか(東京大学教授)
「ふたりのアレクサンダー:〈銀の時代〉のザクセン=ヴァイマル=アイゼナッハ大公国と日本を結ぶ点と線」
コメンテーター@沓澤宣賢(東海大学名誉教授)
コメンテーターA佐藤賢一(電気通信大学教授)