洋学史学会(The Society for the History of Western Learning in Japan)は、蘭学資料研究会をはじめとする先学の築かれた洋学・蘭学史研究の伝統と重みとに敬意を表し、その貴重な遺産を絶やすことなく、これを継承し、洋学史研究のさらなる発展をめざして、1991年に設立されました。
洋学・蘭学史研究は広範多岐にわたり、医学、科学技術、軍学、語学、海外交渉、貿易、美術工芸、音楽、歴史、地理、政治、経済、教育、出版、文学、思想などを研究対象とし、それぞれについて、すでに学会が存在します。しかし、これらの学会は、いずれも洋学・蘭学そのものを対象とする学会ではありません。洋学史学会は、洋学・蘭学自体を研究し、これを推進する組織として設立され、個々の学会に分属する人々が、洋学・蘭学史という関心のもとに結集し、共同で討議・研究することにより、自らのアイデンティティを確認する場ともなっています。そして、これまでの洋学・蘭学史研究の、よき伝統・雰囲気を継承する組織として、さまざまな学問的背景をもつ全国各地の同好の士が集まり、互いの情報交換・交流を通じて、実りある成果をあげています。
このように洋学史学会は、洋学・蘭学史研究の伝統と遺産とを維承し、それを次世代に引き継ぐという大きな課題を担っています。今後も、より多くの方々の参加をお待ちしています。
洋学史学会は2024年3月、日本学術会議協力学術研究団体に指定されました。
出典:(趣意書):「洋学史学会」(仮称)設立について
(吉田忠「洋学史学会の設立」『洋学史通信』26号 2016年4月30日)を要約
洋学史学会は洋学史の研究と普及・発展とをはかることを目的として、次のような事業を行なっています。
シンポジウム(5月)と大会(9月)をそれぞれ年1回開催するほか、7月、11月、12月、3月に研究会を行っています。会員は、これに参加し、または発表することができます。
洋学史研究の普及・発展および情報交換の場として、『洋学』を年1回、「洋学史通信」を年2回発行しています。
これまでに、本学会主催または他学会・他団体との共催により、講演会やシンポジウムなどを開催しています。